武術を習いたいという方の目的は様々ですが、稽古に対する考え方は共通であってほしいと思います。
武術の稽古をされていて、創意工夫されている方をよく見かけますが、師匠につき特定の流派の門下として習うとするならどうなのでしょうか。
稽古という言葉について辞書を引いてみると、『古(いにしえ)を稽(かんが)えるの意』とあります。
先人が命がけで築いた形の意味や技を追求することが稽古であって、自分がやりやすいように工夫することは、形骸化の一歩なのでしょう。
先人に近づくためには、稽古のたびに神棚に手を合わせ正道の道を歩けることを願い、先人に感謝し、先生に謙虚な気持ちで向き合い、素直に稽古に励むことが大切だと思います。
古を知るには、流派の動きだけでなく衣食住などの生活習慣やどう考えていたのかといった点にも目を向けるべきでしょう。
文責 塩崎雅友