劔和會の居合稽古では、無外流居合兵道の教えに基づき、段階的に身体と精神を鍛えていきます。初心者の方でも無理なく取り組めるよう、ひとつひとつの動作を丁寧に学んでいく稽古環境を整えています。
稽古の流れ
素振り
すべての基本となるのが「素振り」です。まずは身体を慣らし、正しい構えと動きを身につけるところから始まります。
短杖の素振り
片手で短い杖を振ることで、刀の操作に必要な腕と肩の使い方、長い武具の扱いに慣れていきます。
鍛錬棒の素振り
やや重い棒を使うことで、力みに頼らず安定した腰の運用や、ぶれない体幹を意識します。姿勢を保ち続ける集中力も養われます。
模擬刀での素振り
本番に近い重さと形の模擬刀で、動きの連動や間合いの感覚を体感します。これが後の形稽古や抜き打ちにつながっていきます。
抜き打ち
居合の特徴である「抜きながら斬る」動作を習得していきます。型稽古に入る前段階として、基本の斬り方を何度も繰り返し身体で正しい動きを覚えます。
- 横一文字・逆袈裟:腰の回転や重心移動を使い、身体全体で斬ることを覚えます。素早さよりも、丁寧な軌道と安定した姿勢が大切です。
- 真向への斬り:相手の正面をまっすぐ斬り下ろす基本の一太刀。呼吸、姿勢、視線など、心身の整えが求められます。
形稽古
無外流に伝わる形(かた)を繰り返し稽古します。形とは単なる振り付けではなく、攻防の理合と精神性が込められた“武術の形”です。
- 一つひとつの形に込められた意図や意味を学びます
- 反復を通して、無理のない自然な動きと“間”を体得します
- 心を整え、集中力を高めることで所作に品が生まれます
形の稽古は、自己との対話でもあります。
段位について
劔和會では、技量の段階を表す昇級・昇段の機会を設けています。
まずは、三級を取得し二級、一級と進み、初段、二段、三段…と昇段していきます。
段位はひとつの区切りであり目的ではありません。何よりも大切なのは、稽古を通して身心が整い技と心が磨かれていく“過程”です。
居合は、単に刀を振るだけの技術ではなく、身体の使い方と心の在り方を深めるための修養の道です。静かに、確実に、自分を磨き続けるこの時間が、日々の暮らしにも新たな力を与えてくれます。
稽古の雰囲気や会員さんの声は会員インタビューをご覧ください