杖道(神道夢想流)

神道夢想流杖術は、樫でできた四尺二寸一分(約128cm)、直径八分(2.6cm)の杖を使い、敵は太刀を想定した武術です。神道夢想流杖術の特徴は、「突けば槍 払えば薙刀 持たば太刀 杖はかくにも 外れざりけり」と伝書にあるように、杖は突き、払い、打ちなど千変万化の技を繰り出すことができる武術です。

神道夢想流杖術

約400年の歴史を持つ神道夢想流杖術

夢想権之助

神道夢想流杖術は、三大古流のひとつで飯篠長威斎家直を流祖とする「天真正伝香取神道流」の道統の七代 夢想権之助勝吉により創始されました。
夢想権之助が筑前黒田藩(福岡)に召抱えられ、藩士の指導にあたり十数人の師範家を起こして盛大に指南せしめた。それ以来、この神道夢想流杖術は黒田藩で藩外不出の御留武術として大政奉還まで継承されました。

神道夢想流の形

明治以降は、各師範の先生方のご尽力によって全国に広まり、現在、六十余本の杖の形と、十手術、短剣術、鎖鎌術、短杖術といった併伝武術が伝わっております。

神道夢想流杖術

全部で63の形があります。表、中段、影など修行者のレベルに合わせて段階をふんで稽古を進めてまいります。

神道夢想流の併伝武術

神道夢想流は長い年月をかけ、黒田藩で継承されてきたため、杖以外にも剣術、十手、短剣、鎖鎌、短杖といった流派を併伝しております。

明治から昭和にかけて全国に広がる

現在、神道夢想流杖術は全国で稽古されているが、そのほとんどが幕末の師範家だった白石範次郎先生の系統であり、白石先生の高弟だった清水隆次先生や乙藤市蔵先生が全国へ普及させるために尽力された。

昭和に入り実践的な武術として取り入れられる

警視庁の必須武術として取り入れられる

警視庁に在籍していた神道夢想流の先生方が神道夢想流杖術を基に警杖術を作成。現在も、警視庁では必須武術として指導されている。

柔道の創始者嘉納治五郎も稽古に取り入れる

柔道の創始者でもある講道館の嘉納治五郎が、弟子に間合いを習得させるため、清水隆次先生に神道夢想流杖術の指導を依頼して、定期的に講道館で指導をしていた。

劔和會で学べる神道夢想流

劔和會で学べる神道夢想流杖術は普及を目的とした制定などとは異なり、昔から伝わる古流の形を正しく伝えております。

劔和會の会長である山田宏先生は塩川先生のもとで長年修行され乙藤市蔵先生から神道夢想流の免許をいただきました。その後、さらに研鑽するため西岡常夫先生に改めて師事し西岡先生からも神道夢想流の免許をいただくことになりました。
西岡先生から受け継いだ、力に頼らない古流本来の技を習得できるよう稽古しております。初心者の段階から杖だけではなく併伝武術の神道流剣術も稽古し太刀の使い方も稽古いたします。

他の併伝武術は神道夢想流特有の体の使い方を習得して高段位になってから稽古いたします。

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