劔和會では、1万回の稽古に挑戦する『劔和クエスト』という企画があります。
数を稽古することで、いい癖を体に覚えさせることと、日ごろの稽古では気付けない発見が多々あります。
| ニックネーム | 親方さん(男性) |
| 挑戦した劔和クエスト | 神道夢想流 相対コース |
| 挑戦日 | 2025年5月3日-5日 |
| 挑戦時の段位 | 初段 |
挑戦のきっかけ

劔和會まず、「劔和クエスト —1万回稽古」に挑戦しようと思った理由を教えてください。挑戦前、どんな不安や期待がありましたか?



少しでも今の自分を超えたい、その一心でした。
普段の稽古でも学びはありますが、圧倒的な回数をこなすことでしか見えない景色があるのではないかと思い、挑戦を決意しました。
正直なところ、「本当に最後までやり切れるのか」という不安はありました。仕事や体調、気持ちの波の中で、途中で気持ちが折れてしまうのではないかという怖さもありました。
それでも、「やり切った先にしか見えない何かがあるはずだ」という期待の方が、わずかに勝っていました。
稽古中に感じたこと・工夫したこと





実際に始めてみて、最初にぶつかった壁は何でしたか?
継続する中で特に意識していたこと、乗り越えるために工夫したことを教えてください。



最初に直面した壁は、重心の不安定さでした。
相対稽古では、一瞬の重心の乱れがそのまま技の崩れにつながります。回数を重ねるにつれて足腰に疲労が蓄積し、力が入らなくなり、踏ん張ろうとすればするほど動きが硬くなる――そんな悪循環に陥りました。
そこで意識を変えました。
「1万回」という大きな数字を見るのではなく、“今この一本”だけに集中すること。
瞬間、瞬間に意識を置き、次の一本のことは考えない。
ただ目の前の動きに没入する。
そうすることで、回数に追われる感覚が消え、稽古そのものに向き合えるようになりました。
結果として、それが継続するための最大の工夫だったと思います。
稽古による変化(身体・技・心)





稽古を重ねることで、体や技術、心にどのような変化を感じましたか?
特に印象に残っている「気づき」があれば教えてください。



回数を重ねる中で、身体に明確な変化を感じました。
力で動かそうとすると続かない。力を抜いたときに、はじめて動きが軽くなる――その感覚を、わずかですが掴み始めました。
以前は「力を抜く」と言われても、どこをどう抜けばいいのか分かりませんでした。しかし、1万回の反復の中で、余計な力が入っている瞬間に気づけるようになりました。
印象的だったのは、
「力を入れない方が、技がかかる」
という体験です。
軽く動けた瞬間、相手との間合いが自然に合い、技がすっと決まる。
そのとき、ようやく「身体の力を抜く」という言葉の意味が、頭ではなく身体で理解できた気がしました。
挑戦者へのメッセージ





これから「劔和クエスト」に挑戦する人たちへ、一言メッセージをお願いします。



1万回と聞くと、とても大きな数字に感じるかもしれません。実際にやってみると、その重さを何度も感じます。
ですが、続けるうちに気づくのは、大切なのは「1万回」ではなく、「今この一本」だということです。焦らず、比べず、数に飲み込まれず、目の前の動きに向き合うことができれば、必ず何かが変わります。
途中で苦しくなることもあると思います。身体が思うように動かない日もあります。それでも、一本を積み重ねていくことで、自分でも気づかなかった弱さや癖、そして可能性が見えてきます。
劔和クエストは、回数をこなすための企画ではなく、自分自身と向き合うための時間だと感じました。少しでも成長したいと思う方なら、きっと挑戦する価値があります。その先にある景色を、ぜひご自身で体験してみてください。
ロゴ作成:Oncidium room/Hina












